保険は「不安だから入る」のではなく「リスクを移転する」という考え方
「なんとなく不安だから」という理由で保険に入ってる人、実は結構多いんじゃないかなって思います。でもある時、保険って本質的には「不安を和らげる商品」じゃなくて、「リスクを移転する仕組み」なんだって知って、見方が変わったんですよね。
この考え方を知ると、保険選びがすごくシンプルになるし、無駄な保険料を払わずに済むようになる気がします。
リスクを移転するってどういうこと?
そもそも「リスクを移転する」って聞いても、最初はピンと来ませんでした。でも簡単に言うと、自分が抱えているリスク、つまり「もしものときの損失」を、保険会社に引き受けてもらうってことなんです。
たとえば自動車事故で相手にケガをさせてしまったとき、何百万円、何千万円という賠償責任が発生するかもしれない。そのリスクを自分だけで背負うのは大変すぎるから、保険料を払って保険会社に移すわけです。
リスクマネジメントという考え方では、リスクへの対処法はいくつかあって、その中の一つが「移転」。そして保険は、個人が利用できる代表的なリスク移転の手段なんだそうです。
これを知ったとき、保険ってただの不安解消グッズじゃなくて、ちゃんと理屈のある仕組みなんだなって思いました。
不安と、移転すべきリスクって別物なんだ
私が保険を見直したときに気づいたのが、「不安に感じること」と「本当に移転すべきリスク」は必ずしも一致しないってこと。
たとえば病気になったらどうしようって不安は誰にでもあるけど、その不安の正体が「入院中の生活費が心配」なのか、「高額な治療費が心配」なのかで必要な保険は変わってきます。
漠然とした不安だけで保険に入ると、結局あれもこれもって加入して、毎月の保険料が家計を圧迫したりする。でも「もし起きたら自分の貯蓄では到底カバーできない大きな損失」が何かを考えて、それだけを保険で移転すればいい。そう考えると、保険選びの軸がはっきりしてきます。
どんなリスクを移転すべきか、考えてみる
じゃあ実際に、どんなリスクを保険で移転すべきなのか。これって人によって違うんですけど、一般的には「発生頻度は低いけど、起きたときの損失が大きい」リスクが保険向きだと言われています。
逆に「ちょくちょく起きるけど、損失額は小さい」リスクは、わざわざ保険料を払って移転するよりも自分で備えた方がコスパがいい。
リスクのタイプを整理してみる
リスクマネジメントの考え方では、リスクを「発生頻度」と「損害の大きさ」で分類すると、対処法が見えてきます。こんな感じです。
| 発生頻度 | 損害の大きさ | 対処法 | 具体例 |
|---|---|---|---|
| 高い | 小さい | 自分で備える(保有) | 風邪をひく、小さな傷の治療 |
| 高い | 大きい | リスク自体を避ける | 危険な場所に近づかない |
| 低い | 小さい | 自分で備える(保有) | 家電の故障、スマホの修理 |
| 低い | 大きい | 保険で移転する | 火災、重大な病気、賠償責任 |
この表を見ると、保険で移転すべきなのは右下の部分だけなんですよね。めったに起きないけど、起きたら人生が変わるほどの大きな損失を被るリスク。ここに集中すると、保険料も抑えられるし、本当に必要な保障を手厚くできる。
高頻度×小額は、保険に向かない
たとえば風邪をひいて病院に行くとか、ちょっとした家電の故障とか、わりと頻繁に起こる小さなトラブルってありますよね。これを全部保険でカバーしようとすると、保険料が割高になってしまう。
なぜなら保険料には、保険会社の経費や利益も含まれてるから。だったら、その分を自分で貯蓄しておいた方が効率的。
実際、医療保険の入院日額給付みたいな保障って、もちろんあると安心だけど、貯蓄がある程度あればカバーできる範囲だったりする。一方で、がんの治療で数百万円かかるとか、交通事故で相手に重傷を負わせて賠償責任が発生するとか、そういう「自力じゃどうにもならない」リスクこそ保険で移転すべきなんです。
不安に振り回されず、冷静にリスクを見極める
保険って、どうしても感情に訴えかける商品なんですよね。「もしものとき」を想像させて、不安を煽る。でも不安だからって何でもかんでも保険に入るのは、結局コスパが悪いし、家計を圧迫する原因になる。
大事なのは「自分にとって移転すべきリスクは何か」を冷静に見極めることだなって、つくづく思います。
まずは自分のリスクを書き出してみる
私がやってみてよかったのは、自分や家族が抱えているリスクを紙に書き出すこと。たとえばこんな感じです。
- 自分が病気やケガで働けなくなったら収入が途絶える
- 火災で家が全焼したら、住む場所とお金が一気に失われる
- 車で事故を起こして他人にケガをさせたら、賠償金が数千万円になるかも
- 子どもが自転車で人にぶつかって、相手に後遺症が残ったら
こうやって書き出してみると、どれが「起きたら人生が詰む」レベルのリスクで、どれが「ちょっと痛いけどなんとかなる」リスクなのか、見えてくるんですよね。そして前者だけを保険で移転すればいい。これだけで、保険選びの無駄がだいぶ減りました。
社会保障も忘れちゃいけない
それから意外と忘れがちなのが、国の社会保障制度。日本には健康保険の高額療養費制度とか、障害年金とか、遺族年金とか、いざというときに使える公的な仕組みが結構あるんです。
まずはそれがどこまでカバーしてくれるのかを調べてから、足りない部分を民間の保険で補う。この順番が大事だなって思います。
不安だからって何も考えずに保険に入るんじゃなくて、「このリスクは本当に移転する必要があるのか?」って一度立ち止まる。そうすると、保険との付き合い方がすごく変わる気がします。